

<作品展出展作文>
「感謝のブ-メラン」 5年:中川 華(はる)
「おはよう、いつも準備ありがとうな」
サッカ-の朝練の準備が終わって朝練が始まろうとしているとき、
監督にあいさつをしたときに返ってきた一言だった。
そのときは何となくあいさつをしただけだけれど、監督からもらった一言の
おかげでいつもサッカ-をがんばれている。
準備や片付けをいつも進んでやれる。
ぼくのチ-ムの監督は幼稚園、1~6年生、中学生から高校までサッカーを
教えている。
多くの選手に関わるけれど一人ひとりのことをよく見てくれる。
一回監督の家に行かせてもらったときに監督の心臓のある位置をさわった。
ふつうの人だと「ドクッ、ドクッ」となるけれど監督のは「・・・・」
音がなっていなかった。
「どうやった?華」と聞かれたので「心臓の音が鳴ってないよ」と答えた。
監督は若いころから心臓にペ-スメ-カ-を埋め込んでいることを話してくれた。
「そうやねん、おれは今ほんまやったら死んでもうてるねん、でもな神様が
俺に命を恵んでくれたんやなぁ~」
さらに監督はこう教えてくれた。
「がんばって生きていたら、いいことをしたぶん自分に返ってくる。
これをブ-メランちゅうねんな。
でも悪いことしたらまた自分に返ってくる。これもブ-メランやんな」
ぼくはこの時、監督が伝えてくれたブ-メランの意味が少しだけわかったような
気がした。
それからしばらくした練習中、同じチ-ムの子がいやなことをされて怒ってた。
やがて自分をおさえることができず、仲間のことをけりはじめてしまった。
周りの子は当然手を出したその子を止めようとした。
ぼくも「何かできることをしないと、、、」と思いいっしょに止めに入った。
監督はもちろん手を出した子を叱り始めた。
「仲間が止めてくれてるやん、そこでやめておけよ。みんなはお前のために
止めてくれようやん」
叱られた子はその言葉がこころにつきささったようで手を出したあと後かいの
気持ちがブ-メランになって返ってきたようだ。
止めようとしたぼくらに監督は言ってくれた「ありがとうな」
ぼくだけでなく止めようとした同じ学年の仲間、6年生の先ぱいたちが
手伝ってくれたおかげでこういうことができたんだなぁと思った。
監督が示してくれた感謝しあうことがどんどんブ-メランになっていくんだと
思えた。
ぼくはこれからも朝練をさせてくれる小学校の先生やサッカ-のコ-チ、
そして監督に「おはようございます」と感謝の気持ちを乗せて気持ちのいい
あいさつをしたいと思います。
「伝 言 板」令和3年(第7号) ・新春号
あけましておめでとうございます。
*元旦は少年とジュニアユ-ス。2日は津田、福崎高、琴丘高、姫路高OB。
3日はエストレラ姫路。毎年3が日の「初蹴り」三昧は至福の時間です。津田小学校やエストパ-クが卒団生が懐かし話に集える「故郷=居場所」になっていることは指導者冥利に尽きます。
*年頭に、、、 津田では今年もサッカ-だけでなく子どもの社会的成長に繋がるクラブとして活動をする予定です。以下にその活動の一例をあげます。
(1)挨拶トレ-ニング 朝練では「おはよう、ごめんなさい、ありがとう」の声出しトレ-ニング。 お父さんお母さんからも明るく「おはよう」元気に「いってらっしゃ-ィ」を。 親がまちがえば「ごめんね」そして「おやすみ」は穏やかに。大人も挨拶トレ-ニングで家庭も職場も自分自身も気持ちよくなりますよ。
(2)「(子どもの心に)気づく」 子どもは口にこそ出しませんが不安やストレスを抱えています。 私は子どもの声を聴きその子にわかる話かけを心がけています。 親も感情的に叱らないで「聴く力」を持ち「丁寧に」話してやって下さい。 また子どもには「生きること」は何をしてもうまくはいかないことばかりで誰にでも「不安やストレス」はあるものだと教えています。 〔不安の受け止め方〕から〔勇気の持ち方〕〔元気の出し方〕などポジティブになる方法を機会あるごとに伝えていくつもりです。
(3)「一所懸命・ひたむきに」 子どもは視野が狭く一時の感情で行動しますが親はそうであってはいけません。 最近少年期に目先の勝利や結果に<一喜一憂>する親が増えました。 親は子どもの成長を(大器晩成になるように)長いスパ-ンで見守るかたわら その瞬間を「一所懸命・ひたむきに」頑張り続ける大切さを伝えたいです。 <教育と躾け=子育て>はあせらずあわてないで粘り強く(熟成)しながら ゆっくりと大人への成長を楽しみましょう。
(4)「自信」から「自立」 少年期に失敗や挫折を重ねる悔しい経験こそが子どもの心に強く残ります。「壁」にぶつかり乗り越えた時に「自信」を得ます。高校サッカ-43年間指導し現実を実際に体験して強く思うことは大人が安易に答えを与えたり親の思いどおりへと子どもを誘導するのはやめて少年期に楽しみながら自分で考え工夫することが「自立」するチャンスです。 子ども自らの意志でできた「自立」こそが高校年代や将来に花が咲きます。
*親が子に今しかできないこと*
朝食から弁当作りに洗濯。仕事に行き帰宅して休む間もなく片付けから夕飯作りの合間に「思い通りにならない子」にイラつき叱る日々。意味のないようにみえる毎日が年がいくと子どもへの日常の平凡さこそが〔子どもがいるからできる〕生き甲斐だったと気づきます。子どもが中学、高校となり親離れを始め子育てもそろそろ、、、と感じ始めると「なぁ~~んか」寂しくなるものです。だから今しかできない子育てに心を注いでかけがえのない「生き甲斐」を。