「言葉は命」(傾聴)

 ※子どもの幸せは「自立」=自分自身の力で生きることです。
 「自立」させるためには
  (1)子どもの話を大人が全身全霊で聞くこと。
  (2)子どもの「色=(個性、特徴)=存在感」を認めること。
     これこそ最良の方法です。これに尽きます。

 ○生徒や子どもは自分の「思い」を言葉にして語ってくれます。
  私は教師時代生徒の言葉を聞くだけではなく「思い」を感じ取るように
  心がけていました。
  生徒が話をしたあと「嬉しそうな顔」になるとこちらまで嬉しくなります。
  自分の全てを聞いてくれる人がそばにいると生徒は「心ゆくまで悩んだ」末に
  自ら立ち上がって〔自立〕していきます。

 ○若い頃は「生徒のことを知りたい、何とかしてやりたい、どうにかしてやりたい」
  と必死でしたが、、、
  生徒の私生活、家族、クラブ、進路など実際には本当のことはわからず
  どうすることも、アドバイスさえできず悩み限界を感じてました。
  生徒は「自分の胸の内を聞いてほしいことが全て」とわかりかけた時期から
  言葉をしっかり聞くだけで生徒は救われ自分で立ち上がる力を持っている〔自立〕
  ものだと気づきました。

 ○そばにいて聞いてくれる人(親、教師、友など)がいなければ
  口下手な生徒(特に思春期)などはより以上に口数が少なくなり
  自分自身の存在感がなくなるような怖さと心が萎(しぼ)んで消えそうな
  寂しさでいっぱいになり〔自立〕ができません。

 ○子どもが発する少ない言葉の裏やうまく表現せず隠されている心の中に
  その生徒の「命」が託されていることに気づいてやることです。
  子どもの話を聞かないということは子どもそのものを無視し否定することです。
  そこから信頼関係(生徒と教師、親と子など)は絶対に生まれません。

 ○子どもはたくさんの人たちとの関わり中で傷ついたり癒されながら成長します。
  我々大人は嫌なことから「逃れる術(すべ)」を知っていますが
  経験の少ない子どもたちは苦しいことや嫌なことから逃れるために
  反抗、拒否、ねたみ、閉ざす、暴力などをするしか「術(すべ)」を知りません。

 ○時として大人は自分の生徒や子どもをやりやすいように「枠」にはめ
  自分の「思い通り」の「色」に染めようとします。
  そうすると大人が管理がしやすく大人が安心し落ちつくからです。
 「思い通り」の子どもを「いい子」と判断するのは大人のエゴで
 「思い通り」の「色」に染めようとすることこそ傲慢(ごうまん)です。