たるさんの部屋                       H・29・12
           変わること(53歳にして得た収穫)

  当時監督をしていた琴丘高校に津田の少年やジュニアユース時代にかかわった
 多くのメンバーが入部してきました。
  技術は姫路地区では高い方でしたが県レベルまではいかないレベル。
 私自身の指導の特徴で子どもたちを見つづけることで性格を把握していく。
 勝負時の大事な時はかわし、体を張らないプレーに明るく行動的で自己表現が
 できる一つ上の先輩たちとどうしても比べてしまう全体的に「甘い」学年でした。

*この子たちを見抜いてるという以前からの妙な自信から実際に指導していて
 「こうなるだろうなぁ?」「そろそろミスするぞ」「このあたりで大失敗に、、
 「そうやろなぁ、、、そうなるやろなぁ」と。あれも、これもと予感は的中。
 過去の指導実践(偏見、予断、先入観)からおおよそ予想がつく。
 すると疲れ、気が休まらずイラつく自分。これでは今までと変わらない。
 生徒たちも同様にミスができない、うまくやらないと、、、と息が抜けず過緊張に。
 すると失敗を恐れチャレンジしなくなる。これまた今までの生徒と変わらない。

◇50歳・カウンセラー資格獲得の志の理由は?、、、、
 「生徒を指導して強くして結果を出してやりたい」「生徒を何とかしたい」という
 おこがましさ、お節介な性格が現れる。これでは以前と変わらぬ状況に。
 自分を変えたいと飛び込んだのが志の理由のはずなのに。

■そこで思い切って「信頼し任せよう」と決断。
 「ミスも失敗も生徒のサッカー人生。そうしながら成長するもの」だと割り切ると
 すると少し楽になり、失敗すると「なんで?」と尋ね、ミスした時鋭く突いてたのを
 見ない振りをするのもありかな?と方法(やり方)を変えてみた。
 元気がない者には「どうしたん?」尻込みの者には「まずやってみては、、」と促し
 アドバイスを控えながら役割や責任を少しづつ与え生徒たちでやらせてみる方針に。
 私の指導方法のあまりの変わりように最初は生徒に戸惑いも、、、、
 だが次第に失敗しても「ええんや」と感じ始め、生徒間で「あーしよう、こうしよう
 これはどう?」と互いにコミュニケーションを取りはじめる。
 失敗しても「ゴメン」と切り替え次に向かう。うまくできると自信にあふれた顔に。
 ほめて認めて「なんでできた?」と聞くと嬉しそうに答えが返ってくる。
 すると人に頼っていた「甘さ」が消えて自分に厳しくなり目つきが変わっていく。
 朝練も居残り自主トレも競争心が芽生えグランドに活気が、、、
  〔今までにない光景と体験。これは強くなる気配、手応えが、、、〕
*練習から全員やることから、スタメンもベンチもサブもチームが一つになり
 その年度の兵庫県高校総体(インターハイ)予選を活気に溢れたまま勝ち進み、
 準々決勝、準決勝も実力高校との接戦を粘り勝ち。交代出場選手がヒーローに。
 そしてなんと誰も予想しない決勝の舞台へ。相手は全国屈指の強豪滝川二高校。
 今までやってきた持ち前の粘りで延長戦へ。最後は力尽きグランドに伏したが、、、、
 持っている力を全て出し切って「さわやかに」ピッチを後にした。
 半年前には甘く弱かった生徒が臆せず堂々と一生懸命、ひたむきに輝き戦った。
 そのピッチには長い間不登校の苦しみから脱した者もいてくれた。これがまた嬉しい。

※子どもは変わるもの。
 その後生徒たちは学校生活も歩く姿さえもカッコよく見えました。自信ですね。
 勉強も将来に向けチャレンジし進路希望も手に入れました。凄いです。

◆53歳にして得た最大の収穫。それは私自身が変われたことです。
 自分が変わることで相手も変わるということがわかりました。
 お蔭で常備していた睡眠薬、胃薬、頭痛薬に頼ることもなくなりました。