たるさんの部屋
甘えたいけど、、、

1時間目が始まり(A子)が遅刻し職員室に入室許可のために入って来ました。
少し離れた席から(A子)と担当教師とのやりとりを見てました。
教師A:「最近よく遅刻してるなぁ~」  教師B:「遅刻の理由は、、、」
教師C:「ちょっとA子最近おかしいぞ」
黙ったままの(A子)に教師2、3人が声をかけてます。
やがて遅刻届けを持って職員室を出るが「ドーン」とドアを閉めた音が響く。
あきらかに(A子)不機嫌。
このまま授業に参加させると(A子)の性格上授業に支障が出そう。
このままでは、、、、違う出口から出てソーっと(A子)の背後から声を、、、
(A子):「なんやぁ 、、たるさんか、、、」
(私):「ちょっと話しょう」 (A子)「いやや、ほっといて」
(私):「いや、ほっとかへん」とカバンをひっぱり体育館に通じる廊下へ
連れていこうとすると意外と抵抗が少ない。卓球場入口にある段差に座らせた。
(私):「おかん、大丈夫か、、、」(A子)「なんで知っとん?」
「(A子)のこと何でも知ってるわ(笑)」
遅刻が多く授業中もぼーっしてると聞いていたので(A子)の友だち2、3人から
情報を集めていた。
それによると最近お母さんが倒れ入院。家事の全てを(A子)がやり毎日病院へ。
友だちは「たるさんA子の話聞いてやって、あの子は頑張り屋で私らには
甘えてなかなか本音を話してくれへん」
(私):「大変やなぁ~~」と言うとフゥーッと長い息を吐いて、
いつも強気な(A子)が今にも泣きだしそうな顔になりしばらく沈黙が、、、、。
やがてたまっていたものが出るように一気に話し始めた。

家はお父さんと弟。
生活が一変し学校を終えて病院へ寄り帰りに買い物して帰宅し洗濯物取り入れ
夕飯の用意をしてあと片付けをすませると勉強する時間も遅くなり寝不足。
朝は早くから起きて3人分の弁当を作るが時間がうまく使えず遅刻になる。
(A子)の性格から徹底してやらないと気がすまないタイプ。
今朝も3人分の弁当を作り掃除も終えてお父さんを起こしにいく。
だが「あほか!今日は早出じゃ。はよ起こさんかえ、遅刻やんかぇ」とわめかれ
お父さんは仕事へ家を飛びだす。作った弁当を渡そうと追いかけたが、、、
腹が立つやら悲しくやら           、
「学校休もう、でも、、行かな、あかんし」と遅刻する。

話を要約すると
お母さんの手術が近い。弟は受験。お父さんも仕事の合間に病院へ。
みんな頑張ってる、私も頑張らな。
そしてやがて(A子)から
(A子)「人に言ってもわかってもらえヘんし、わかってもらおうとも思わんし、
言うたら甘えそうやし、、、」
(私):「(A子)らしいな、でも(A子)のこと心配してくれる人がいることは
ありがたいな。感謝せな。その人たちにも少しは話をしてみてわ。
友だちも(A子)から悩みを言ってもらえたら嬉しいもんやで。
互いに苦しみを伝えあって「親友」になれると思うけど、、、
少しは楽になるで。人に甘えるってたまにはええと思うけど、、、」
*5、6分沈黙が、、、
その間、なんとも言えない(A子)のあったかい雰囲気が伝わってくる。
(A子)「そやな。。。そうしてみようかな、、たるさんありがとー、授業行くわ」